Entography | 2017-2018

Type :Art project / Photography / Entomophagy / Editorial design

Member :Yusuke Takahashi / Takeshi Sunaga(Professor)

Memo : graduation project (Tokyo University of the arts graduate school of fine arts)

AWARD&EXHIBITION : WIRED Creative Hack award 2017[special prize] / Wired video /SICF19(Spiral Gallery)/ Venice Biennale2020 “Time Space Existence”(postponed by COVID-19) and more

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 本制作では昆虫食をテーマに扱っている。昆虫食といえば食糧問題の解決策という文脈で語られることが多いが、ここではもう少し根本的なところを問うところから制作を始めている。それは「昆虫をたべるとはどういうことなのか」という問いである。昆虫食は未知の食である。既存の食材との類似点が挙げられることもあるが実際には独立した新しい食分野である。だからこそ昆虫食は新しい食文化になることができるのではないかと密かに考えている。とはいえ、未知な分野であるがゆえにどのように展開していくかが非常に重要になってくる。既存の食に関する視点だけから昆虫食を進めようとすれば最終的に昆虫食は既存の食の代替物にしかならない。そうではないやり方があり昆虫食ならではの食のあり方があるのではないか、あるとすればそれを見つけ展開したい。そのような考えからこの制作を始めた。当然、根本的なところを問うわけなので最終的に「昆虫食は食たりえない」という判断もありうる。しかし、たとえそうだとしても昆虫食を追う過程には広く食を考えるきっかけになるものがあるのではないかと考えている。

 本制作は「昆虫食とはいかなるものなのか」といったことを念頭に置き、試行錯誤を行い、その過程を記録し、編集し表現するものである。ここでの態度としては昆虫食を否定も肯定もしてはいない。というのも、まだ私自身にも昆虫食の全貌が見えていないからである。そこで昆虫食がいかなる食であり、どのような特性を持つもので、どのように展開しうるのかを制作を通して個人で模索しつつ、それらを人々に提示することで社会レベルでも模索・展開していくことを試みている。試行錯誤は多岐にわたる。はじめは昆虫を眺めるところから始まり、あるときには純粋な昆虫の肉をつくり、またあるときには料理家と共に昆虫食のためのレシピを開発したりしている。それらの要素が今までになかった昆虫食の側面をつくりだす。そして、試行錯誤することと同じくらい記録し表現することを大切にしている。昆虫食に関する行為はできる限りすべて写真によって記録するようにしている。それは自分の試行錯誤だけでなく、他者との共創、人々が昆虫食に関わる瞬間など多岐にわたる。この記録は事実を残すためだけにあるわけではない。この記録が人々の思索や行動の拠り所・きっかけとなることを狙っている。昆虫食の今まで見えていなかった方向へ思索や行動が伸びていくための足がかりとしてこの記録が存在する。

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