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​本展示について

本展示では、私が暮らす自室を3DCGで再現したゲーム『自室境界』、そのプレイ記録映像作品である『自室境界 END-2』を中心に制作過程から生まれた3つの習作を含む4作品を展示しています。ゲーム・メディアが持つ 操作可能性/操作不可能性との触れ合いを通じて、自室/外界・リアル/ゲーム・私/他者・ここ/そこ といった様々な“境界”について考え直すきっかけになることを目指しました。

自室境界にて 記録映像 (映像:4分7秒)

自室境界 END-2 (映像:22分30秒)

自室境界 END-2 冒頭7分

あらすじ

パンデミックの発生に伴い自宅から出ることができない主人公とその同居人の女性。あるときリビングの工事のため作業員が訪れる。作業員は同居人の女性と徐々に仲良くなり、リビングの改築を勝手に進めていく。その状況の中で主人公はなぜか部屋から出られず( もしくは自らの意志で出ず) 、ふすまにあいた穴からその様子を眺める。眺めてはベッドに座り、眺めてはベッドに座り… を繰り返していく。

コンセプト

本作は、私が普段生活を営む自室を3DCG上に再現し、私自身のアバターを操作するゲーム「自室境界」の記録映像作品です。私が自身で制作したゲームを、自ら遊び(=play)、安全圏であるはずの自室を介して寧ろ孤立していく「私」という主人公を演じ(=play)、それを(unplayableな形式である)「プレイ動画」として記録することで、鑑賞者に再生(=re-play)してもらいます。

 私たちは日常的な現実をplayableなもの(=介入可能なもの)として生きている一方で、昨今のパンデミックが我々の記憶に新しいように、時として外部からの介入によって引き起こされた変化を、ただ傍観することしかできない状況に陥ることがあります。そして、そのような「介在余地のなさ」(=unplayablity)は、社会規模な事態の進行下に限ったものではなく、他の(playableな)行為主体であるところの他者との関係においても、日常的に経験されるものではないでしょうか。

 私はそのような「介在余地のなさ」に強い苦痛を感じつつも、同時に好奇心に似た欲望を覚える自分に気づくことがあります。それはplayable/unplayableという二つの認識の紙一重な「境界」に触れたときにこそ、我々の実存が問われ、生き(=playし)続けることの意味を感じられるからかもしれません。遊びの道具として制作されるゲームというメディアは、実際にはplayable/unplayableなものを厳密に定義することで、playableな要素だけに注意が集中するよう設計されますが、本作ではこの関係を逆転させています。unplayableな要素に注意を向けることで、鑑賞者が境界の上で自分自身の実存を問う機会となることを願います。

展示情報

展示:「自室境界にて」
期間:2024年2月21日(水) ~ 2月27日(火)
時間:11時~20時(21日:14時~20時/27日:11時~16時)
場所:Room412(〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町15-8 高木ビル412号室)

入場:無料
支援 : 令和5年度文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業 創作支援プログラム / 
令和5年度公益財団法人アイスタイル芸術スポーツ振興財団

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